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台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆(~3/26) [美術鑑賞]

大阪市立東洋陶磁美術館の「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」に行ってきました。
この特別展に出ている作品は六点です。たった六点、一部屋です。けれどもこれは焼きものに興味のある人なら絶対見なきゃいけませんよ。見る人が見たら人生を変えられる、そういう焼きものです。わたくしは、一段落ちるとか言われてますけれども景徳鎮官窯の模作の色合いが好きです。
「色がきれいに出ている」「傷がない」「脚がはえているのがかわいい」「底の部分が外に張り出している形状がおもしろい」「補修のセンスがいい」など、言葉を使って誉めるところもいろいろあります。気に入ったポイントを箇条書きにしていって、出そろったところで眺めてみると、作品を目の当たりにしたときの印象は「そういうの全部ひっくるめてすごい」になってしまうんですね。
北宋時代、11世紀末~12世紀初ごろにこんな美しいものを作った人たちがいて、その後もずっと大事にしてきた人たちがいるわけですよ。そんな宝物が現代に至ってもまだすばらしい宝物として認められていて、今回ひょっこり海を越えてこちらへやってきたものをたまたま目にすることができるチャンスです。
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わだばゴッホになる 世界の棟方志功(~1/15) [美術鑑賞]

あべのハルカス美術館の「世界の棟方志功」展に行ってきました。わたくしはたまたま子どもの頃にこの人が挿絵の本を読んでいたりしてご縁があるのでずっと楽しみにしておりました。
版画ではない最初期の油絵からはじまって円熟期の大作までずらりと勢揃いです。特に後半生の作品はとんでもないサイズなので、画集や図録ではなく一度は実物を見ておきたいものばかりでした。作品リストで寸法を見てゆくと一つだけ周りの数倍くらいのサイズのが出てくる、それが「大世界の柵」です。
この人の作風はどちらかといえば素朴と呼ばれる側に入ると思うのですが、大胆な構成も荒々しいタッチも一目で棟方さんだとわかりますし、真似しようったってできるものじゃないんですよね。迫力満点の大きなものについ目が行ってしまいますけれどももっと小さな作品、たとえば本の挿絵などは驚くほどの細やかな描き込みに引きつけられます。
ファンかどうかはひとまず置いといて、奇想天外なストーリーや鮮やかな色使い、思わず頭を抱えて謎解きしたくなる不思議な世界観は眺めているだけで楽しいものです。「壁いっぱいの版画」なんてのが見られる、なかなかない機会だと思いますのでおひとついかがですか。
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開館80周年記念展 壺中之展(~12/4) [美術鑑賞]

大阪市立美術館の開館80周年記念展「壺中之展」に行ってきました。出るわ出るわ、目録にずらりと並んだ数字が200以上。二階の回廊にまで作品が並ぶ大ボリュームです。
全六章構成、ざっくりしたジャンル分けもあり、こちらの美術館がどんな分野に強いのかをあらためて眺められる展示でした。ふだんは常設展で少しずつ出てくる、時々目にして何となくおなじみになっていた品々がどーんと一堂に会するのは見応え抜群ですね。
日本美術の部屋では、若冲や狩野派、尾形光琳に加えて桃山時代の肖像画がずらりと並んでいたのが新鮮でした。ええそうです、戦国武将とかその配偶者ですよ。わたくしはついつい自分の興味あるところばかり注目してしまうのですが、今回は思いがけずメジャーなものがいろいろ見られて楽しかったです。
絵画だけでなく焼き物や根付けなどの細工物もすばらしかったので、タイミングが合わなくてこれまで見られなかった所蔵品を楽しむよい機会にもなりました。中国やオリエントまで、びっくりするようなものが飛び出してきますよ。

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見世物大博覧会(~11/29) [美術鑑賞]

国立民族学博物館の特別展「見世物大博覧会」に行ってきました。
ポスターや公式サイトを見ているとそんなに怪しげなものは出ていない、子どもから大人までどなたでも安心して連れていける展覧会かと思っていたですが、じっさいに足を運んで見たらなかなか薄暗がりにあふれた、ひとさらいが出そうな雰囲気でやばかったです。12歳未満は保護者同伴です。

展示スペースの一階は生身の人間が演じる技芸が中心です。日本各地に残る軽業の映像資料はみんぱくの面目躍如ですし、明治以降に伝来した西洋式のサーカスなど、さほど怪しげではない『見世物』の展示もあります。それと同時に「かに男」の絵看板がどどーんと出ていたりもしますし、人間ポンプの映像なんて本当に見られると思っていませんでしたよ。絵金の複製もありまして後ろめたさは抜群です。

二階は細工や人形、動物など人ではなく「もの」にまつわる展示です。
暗いところでは絶対会いたくない化け物屋敷の人形やからくり人形の中身もありますが、一番強烈だったのは生き人形です。等身大よりひとまわり小さい他はほんとうに人間そっくりなんですよ。顔や手のパーツが「マネキンの頭が転がってる」じゃなく「人間の首だあああバラバラ殺人だああああ」に見えるんですよ。
不気味の谷なるものがまったく感じられなかったので、人間に似せたロボットを作る皆さんには美少女よりおっさんを目指していただきたいと思いましたね。

最終的に寺山修司の演劇世界にたどりつく、こっそり見に来たくなる感じが満載の特別展でした。こんな信じられないものがまとめて見られる機会はめったにないのでぜひこっそりお越し下さい。こっそり。
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大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで(~11/6) [美術鑑賞]

あべのハルカス美術館大妖怪展に行ってきました。
サブタイトルが「土偶から妖怪ウォッチまで」って何ごとかとお思いでしょうが、そのあいだをつなぐ妖怪のいろいろを主に江戸時代の資料を中心にカテゴリ分けして並べてくれています。
取り扱われている妖怪がじっさいに活動していた時代はさまざまで、平安時代の頼光四天王に酒呑童子、リアルタイムで語られた江戸時代のあれやこれやなどですが、物語として残されているのは江戸~明治期の浮世絵が圧倒的ですね。妖怪が登場するお芝居や書物もこの頃花開いた感があります。
もっと時代を遡ると、妖怪を語るにあたってはぜひとも見ておきたい百鬼夜行や付喪神の絵巻物もちゃんと出てきます。さらに信仰の対象ともなった地獄図も展示され、『妖怪』というざっくりした単語の解釈の幅広さを教えられました。
いわゆる妖怪という考え方そのものを大変広い範囲で捉えていて、おなじみの作品にも別の方向から光を投げかけられていた印象です。さいごの部屋に配置された土偶に断然興味がわいてくる構成でもありましたね。
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デトロイト美術館展(~9/25) [美術鑑賞]

大阪市立美術館デトロイト美術館展に行ってきました。
アメリカの自動車産業とともに発展した街ですから歴史としてはそんなに長くはないんですけれども、そのぶん印象派以降から20世紀の美術品をがっつり集めている印象です。このあいだの財政破綻まで、世界情勢が切り離せない歴史を持った街の美術館ってだけで興味をそそられませんか。わたくしはそそられました。
印象派から始まって、ゴッホやセザンヌなどポスト印象派の有名なところがたくさん出ていたのでファンの方はチェックしてみてください。一口に印象派に続いた人たちといってもずいぶん画風は違っているので、そういう括りではなく19世紀西洋画を楽しむ視点になっていました。
また20世紀ドイツ絵画、いわゆる「退廃芸術」として分類された画家たちの作品も興味深かったです。他ピカソやモディリアーニなど20世紀フランス絵画もたくさん出ていて、現代西洋美術が好きなら見逃せない…というところなのですが、20世紀なかばまでの芸術はもう現代ではなく、美術史の中の時代としてとらえるべきなんでしょうかね。
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日本・ベルギー友好150周年 ベルギー近代美術の精華展(~8/25) [美術鑑賞]

姫路市立美術館の「ベルギー近代美術の精華」を見てきました。細かいことは置いといて、近代西洋美術が好きな人は是が非でも行っていただきたい展示だと声を大にして言いたいですね。まさかレオン・フレデリックが三つも出ているなんて思いませんでしたよ。
もともとベルギー美術のコレクションで有名な美術館で、アンソールやクノップフが好きで注目していたのですが、今回はその面目躍如ともいうべき充実っぷりでした。作品一覧を眺めても大半がこの美術館の所蔵で、とんでもない底力を見せつけられた気持ちです。

近代美術のスタート地点、レアリズムから印象派への移りかわりから始まり、ここではフレデリック、アンソールのより現実に根ざした時期の作品が見られます。もっと印象派に近いエミール・クラウスなどもあります。
続くエリアでの象徴派や表現主義、シュルレアリスムの特集はもう、ベルギーははぐれもののミューズに祝福された土地であるに違いないと確信する強烈さです。アンソールは版画も出ていますし、クノップフの大きな作品もありますし、マグリットのリトグラフがひとそろいずらっと並ぶのも楽しめます。大原美術館に所蔵されている「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」のレオン・フレデリックの、サイズこそコンパクトながらねっとりした筆致はそのままの二作も必見ですね。
デルヴォーもたくさんありますし、画家の名前を知らなくてもちょっと不思議でヘンテコな絵が好きな方には手放しでおすすめいたします。通年展示の部屋では近代フランス絵画をやっていますし、姫路城は白くて美しいですしこの夏姫路に行かない理由がありませんよ。
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ボストン美術館 ヴェネツィア展 魅惑の都市の500年(~8/28) [美術鑑賞]

佐川美術館ヴェネツィア展に行ってきました。
とにかくどこを切ってもヴェネツィア、どっちを見てもヴェネツィアです。ミュージアムショップやレストランもイタリアがかってますし美術館そのものも水の上に浮かんでる感じですしヴェネツィアファンは必見です。(ヴェネツィアファンは日本中にいますし、この展覧会でわかるとおりアメリカにもフランスにもいるんです)
おなじみのカナレットほかヴェネツィアの風景画に加えて風景写真もあり、スタイルも油彩に水彩、版画と多岐にわたりますし、総督など肖像画に描かれた名士たちの姿にも親しめます。ヴェネツィアの生活を時代の移りかわりにあわせて旅する気分にもなれますし、ヴェネツィアに魅せられて世界各地から集った芸術家たちの作品まで展示されているのもみどころです。不意打ちでモネなんか出てきて、全部ヴェネツィアのことしか描いてないんですよ。
目新しく感じたのは宗教画の特集です。風景画や肖像画とならぶ西洋美術の重要なジャンルとはいえ、やはりここはイタリアなのだと思わせる充実ぶりでした。特に人気のあった聖人から、ヴェネツィアの歴史が垣間見えたりもします。
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1945年±5年(~7/3) [美術鑑賞]

兵庫県立美術館の「1945年±5年」展に行ってきました。

タイトルにある十年間の日本美術に焦点を当てた展示で、とにかく前半五年分のインパクトからしてすさまじかったので、ここまで見ただけでもう全ての人に見ていただきたいとずっと思っていました。藤田嗣治や小磯良平の戦争画の実物を、大きな美術館で一挙に見られる機会なんてそうそうありませんよ。戦場を舞台にした作品のみならず南方や満州に取材した絵画、日本国内の人々の暮らしを扱った絵画も数多く出ています。このテーマで名前を見るとは思わなかった人もいますよ、東山魁夷ですとか。
特に印象的だったのはずっと実物を見たかった小早川秋聲「国之盾」です。それぞれの作風で戦争にまつわる絵画が並んだなか、独自のテーマに取り組む靉光と吉原治良がまぶしゅうございました。

戦争が終わった46~50年にしても、そこでがらりと世界が変わってしまったわけではなく、45年までと陸続きの歴史であるなと感じました。戦中よりも廃墟を描いた作品が多くなり、戦禍を直接とりあげた大作が増え始めるのは敗戦から数年後です。
1945年を挟んだ十年という区切りは、さいごまで全部通して見ると最初に予想していたのとはまた違う意味を持ってくるものですね。

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没後100年 宮川香山(~7/31) [美術鑑賞]

大阪市立東洋陶磁美術館の特別展「没後100年 宮川香山」を見てきました。

チラシやポスターで大写しになっていて目を驚かせる、薩摩焼に立体的な装飾を施した高浮彫のインパクトが強烈です。万博など海外での評価が高いということで、日本的な美をどこまで表現できるものか技術の限界に挑戦していたんだろうと勝手に推察する次第です。こんなのひとつ作るのに何年かかるんだ、と思ったら何十点も出ていますからもう異次元の仕事ぶりです。
口の中まで見える猫やらくたっとした紐やら、全部陶磁器で再現されてるんですよ。特に植物の表現は葉の表面だけ艶がないんです、ぜひご自分の目で見ていただきたいです。

ところが高浮彫のみならず、釉薬の研究に足を踏み入れてからの作品もまた見事だから参ります。平たく言えば「色がきれい」に尽きるんですけれども、中国や朝鮮の伝統を受け継いだ意匠をこころみる一方、びっくりするほどモダンなデザインも飛び出すのが楽しくてたまりません。蟹をあしらった高浮彫花瓶は35年をおいて作られた2つのバージョンが並んでいるので、後半生の研究を経て変わった部分を探すのが面白いです。
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