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ハンガリーの名窯 ヘレンド(~7/30) [美術鑑賞]

大阪市立東洋陶磁美術館の特別展「ハンガリーの名窯 ヘレンド」に行ってきました。
ヘレンドはハンガリー南西部の小さな村で、19世紀から磁器の生産が始まり、先行する各地の磁器に学んでほどなく高い水準に達したそうです。ハンガリーの小さな村と書きましたけれども、参考資料として出ている地図がヨーロッパ全体を網羅する勢いでしたからね。
ヨーロッパの富裕層や王侯貴族に愛された磁器ですから、どれをとっても驚くような美しさです。陶磁最先端の技術じゃないですかね、色も実に鮮やかなんですよ。彩色だけでなく造形もおもしろくて、編み目の透かし彫りやなんだかよくわからない生き物がたくさん見られました。美しいだけでなく、現在のわたくしたちからすると見ていて楽しい作風でもあります。
また、びっくりするほど中国~日本のやきものを意識した作品が多かったです。そのまま伊万里風なのもありますし中国っぽい様式や色使いなど、当時のブームが痛感されます。量は少ないのですが第二次大戦後の国有化された時代、そして現代のヘレンド窯の作品はまた別の意味で興味深い展示でした。
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ベルギー 奇想の系譜(~7/9) [美術鑑賞]

兵庫県立美術館の「ベルギー 奇想の系譜」展に行ってきました。
15世紀フランドル絵画から始まり象徴派と表現主義、20世紀のシュルレアリズムを経て現代美術に至るまで、ベルギーの美術は人気ジャンルが目白押しです。一人だけで特別展が開催できる人気作家もたくさんいて、それらを通して見られるのはすごく貴重な機会ですよ。行かない理由がありません。
入って早々、最近ではきもちわるくてかわいいキャラとして大人気のボスとその影響を受けた作品群に出迎えられます。なんだかげてものみたいなイメージで見られがちですけれども、これだけ広まったしブリューゲル(父)にも影響を与えていますから当時には一般的に大人気だったんですよね。象徴派にさしかかると雰囲気はがらりと変わり、仮面でおなじみジェームズ・アンソールを挟んでシュルレアリズムの章に到着します。この世ならぬもの、不可思議なものを描き出す想像力は受け継がれながらも現実を超えるところまでたどり着く、ひとつの地域でこれだけ脈々と続く流れがあるのはほんとうに大したものですね。
現代美術はヤン・ファーブルを筆頭にまた新しい顔を見せはじめ、さらに伝統的絵画を引き継ぐ作品も出ていてこれからも目が離せません。ずっと未来まで見守りたい国です。
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木×仏像(~6/4) [美術鑑賞]

大阪市立美術館の特別展「木×仏像」に行ってきました。
タイトルのとおり木彫仏のみを特集する展覧会で、材質や技法にも注目した解説が興味深いです。時代も飛鳥時代から江戸時代まで幅広く、仏像そのものの作風の変遷を見ることもできます。
木彫仏ならではの注目ポイントとしては、わかりやすい例を展示しての技法の説明が面白かったです。木材の乾燥による亀裂を防ぐための内刳りというのは、聞いたことはありますけれどもあんなにごりごり中をくりぬくものだとは知りませんでしたし、木造だからこそ可能になった寄木法も昭和になってから作られた標本でじっさいの構造を見せてもらえます。他にもよく用いられる木材に触れたり重さを比べたりできるコーナーもあり、桐が明らかに他より軽い!なんて体験もできました。
特別な由来のある材料が使われている例も出ていたのですが、木材が採取された場所までわかるのは珍しいというのが少々意外でございました。そんな中「閻魔王の宮殿の松で作られた」像というのがありましてこれはぜひその筋の方にご覧いただきたいと思います。仏像のほかにも、円空の秋葉権現など素敵なものが出ていましたよ。
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特別展 海北友松(~5/21) [美術鑑賞]

京都国立博物館海北友松展に行ってきました。
とにかく建仁寺の雲龍図がすばらしかったので世界中に見ていただきたいです。じっさいの配置を模しての展示となっていて、目を奪われるスケールの大きさ、二面にそれぞれいる龍の顔の違い、吹き荒れる風や雲の表現まで圧倒されっぱなしです。明るいところで一人で見たら正気でいられないんじゃないかと思います。
五十代までは狩野派にいて、その後独立してから頭角を現した人だそうです。キャリアは長いですから技巧はもちろんすぐれているんですけれども、そこからあのとんでもない迫力の龍が生まれたきたのはどういうことかと考えるとやっぱりただならぬ絵師です。活動時期がちょうど桃山時代と重なり、大坂夏の陣直後に没する、戦国時代末期を京都で生きた人だというイメージが似合います。
その他もっと穏やかな筆致の水墨画、がらりと雰囲気の違う写実的な花卉図まで出てくる大変に気合いの入った特別展です。ここの博物館の開館120周年記念でもありますから見に行かない手はありません。

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ピエール・アレシンスキー展(~4/9) [美術鑑賞]

国立国際美術館ピエール・アレシンスキー展に行ってきました。1927年生まれですから今年で90歳になる方ですけれども二年前の作品が出てるんですよ。ベルギーの横尾忠則みたような人ですね。
1950年代に日本の前衛書道に触れ、来日して映画も撮っているんですけれども、床に紙を置いて描かれた作品群は書道っぽいところもありますしベルギーの伝統的な芸術の血を引いていることも感じさせます。初期の作品は明らかにアンソールをリスペクトしていますし、前衛美術といっても何となく具象絵画の味わいが残されていて、何があるのかまったくわからないという画家さんではありません。画面が大きくて色合いもはなやかで、意味はわからなくても絵本のように眺めて楽しめます。
とにかく色んなものを試していらっしゃって、マンホールの拓本とか古い郵便物や地図がキャンバスとして用いられることもあります。最近の作品では直径一メートルを超えてそうな丸いキャンバスに描かれたものもあって、全然知らない画家さんだったのにとても楽しく拝見しました。
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クラーナハ 五百年後の誘惑(~4/16) [美術鑑賞]

国立国際美術館の「クラーナハ 五百年後の誘惑」に行ってきました。
何が驚いたかって、びっくりするくらいできるビジネスマンだったことですよ。宗教改革の出発点となったヴィッテンベルクの宮廷画家であり、ルターと個人的な付き合いもあって肖像画を多数描いているルカス・クラーナハ(父)ですが、それはそれとしてローマ教会サイドのための絵もたくさん残しているんですよね。大きな工房を構えて仕事をしていた人気画家ですから当たり前なんですけれども、ルター派のイメージが強くなっていたものでちょっと衝撃を受けました。
「ホロフェルネスの首を持つユディト」「ヴィーナス」など、よく見かける作品がいくつも来ているので気になっていた人には絶対に見逃せない展覧会です。すぐれた実業家でもあったわけですから、当時の画家の主な仕事である肖像画のお仕事についても見ることが出来るのがいいですね。あまり大きくない作品のほうが、精緻な描き込みぶりが堪能できてよろしいのではないかと思います。
あとは裸体像のへその描き方が現代日本における一般例と違うことが気になりました。昔のヨーロッパといっても医学的な事情はあまり関係なさそうなので土地柄かモデルさんの都合ですかね。
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台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆(~3/26) [美術鑑賞]

大阪市立東洋陶磁美術館の「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」に行ってきました。
この特別展に出ている作品は六点です。たった六点、一部屋です。けれどもこれは焼きものに興味のある人なら絶対見なきゃいけませんよ。見る人が見たら人生を変えられる、そういう焼きものです。わたくしは、一段落ちるとか言われてますけれども景徳鎮官窯の模作の色合いが好きです。
「色がきれいに出ている」「傷がない」「脚がはえているのがかわいい」「底の部分が外に張り出している形状がおもしろい」「補修のセンスがいい」など、言葉を使って誉めるところもいろいろあります。気に入ったポイントを箇条書きにしていって、出そろったところで眺めてみると、作品を目の当たりにしたときの印象は「そういうの全部ひっくるめてすごい」になってしまうんですね。
北宋時代、11世紀末~12世紀初ごろにこんな美しいものを作った人たちがいて、その後もずっと大事にしてきた人たちがいるわけですよ。そんな宝物が現代に至ってもまだすばらしい宝物として認められていて、今回ひょっこり海を越えてこちらへやってきたものをたまたま目にすることができるチャンスです。
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わだばゴッホになる 世界の棟方志功(~1/15) [美術鑑賞]

あべのハルカス美術館の「世界の棟方志功」展に行ってきました。わたくしはたまたま子どもの頃にこの人が挿絵の本を読んでいたりしてご縁があるのでずっと楽しみにしておりました。
版画ではない最初期の油絵からはじまって円熟期の大作までずらりと勢揃いです。特に後半生の作品はとんでもないサイズなので、画集や図録ではなく一度は実物を見ておきたいものばかりでした。作品リストで寸法を見てゆくと一つだけ周りの数倍くらいのサイズのが出てくる、それが「大世界の柵」です。
この人の作風はどちらかといえば素朴と呼ばれる側に入ると思うのですが、大胆な構成も荒々しいタッチも一目で棟方さんだとわかりますし、真似しようったってできるものじゃないんですよね。迫力満点の大きなものについ目が行ってしまいますけれどももっと小さな作品、たとえば本の挿絵などは驚くほどの細やかな描き込みに引きつけられます。
ファンかどうかはひとまず置いといて、奇想天外なストーリーや鮮やかな色使い、思わず頭を抱えて謎解きしたくなる不思議な世界観は眺めているだけで楽しいものです。「壁いっぱいの版画」なんてのが見られる、なかなかない機会だと思いますのでおひとついかがですか。
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開館80周年記念展 壺中之展(~12/4) [美術鑑賞]

大阪市立美術館の開館80周年記念展「壺中之展」に行ってきました。出るわ出るわ、目録にずらりと並んだ数字が200以上。二階の回廊にまで作品が並ぶ大ボリュームです。
全六章構成、ざっくりしたジャンル分けもあり、こちらの美術館がどんな分野に強いのかをあらためて眺められる展示でした。ふだんは常設展で少しずつ出てくる、時々目にして何となくおなじみになっていた品々がどーんと一堂に会するのは見応え抜群ですね。
日本美術の部屋では、若冲や狩野派、尾形光琳に加えて桃山時代の肖像画がずらりと並んでいたのが新鮮でした。ええそうです、戦国武将とかその配偶者ですよ。わたくしはついつい自分の興味あるところばかり注目してしまうのですが、今回は思いがけずメジャーなものがいろいろ見られて楽しかったです。
絵画だけでなく焼き物や根付けなどの細工物もすばらしかったので、タイミングが合わなくてこれまで見られなかった所蔵品を楽しむよい機会にもなりました。中国やオリエントまで、びっくりするようなものが飛び出してきますよ。

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見世物大博覧会(~11/29) [美術鑑賞]

国立民族学博物館の特別展「見世物大博覧会」に行ってきました。
ポスターや公式サイトを見ているとそんなに怪しげなものは出ていない、子どもから大人までどなたでも安心して連れていける展覧会かと思っていたですが、じっさいに足を運んで見たらなかなか薄暗がりにあふれた、ひとさらいが出そうな雰囲気でやばかったです。12歳未満は保護者同伴です。

展示スペースの一階は生身の人間が演じる技芸が中心です。日本各地に残る軽業の映像資料はみんぱくの面目躍如ですし、明治以降に伝来した西洋式のサーカスなど、さほど怪しげではない『見世物』の展示もあります。それと同時に「かに男」の絵看板がどどーんと出ていたりもしますし、人間ポンプの映像なんて本当に見られると思っていませんでしたよ。絵金の複製もありまして後ろめたさは抜群です。

二階は細工や人形、動物など人ではなく「もの」にまつわる展示です。
暗いところでは絶対会いたくない化け物屋敷の人形やからくり人形の中身もありますが、一番強烈だったのは生き人形です。等身大よりひとまわり小さい他はほんとうに人間そっくりなんですよ。顔や手のパーツが「マネキンの頭が転がってる」じゃなく「人間の首だあああバラバラ殺人だああああ」に見えるんですよ。
不気味の谷なるものがまったく感じられなかったので、人間に似せたロボットを作る皆さんには美少女よりおっさんを目指していただきたいと思いましたね。

最終的に寺山修司の演劇世界にたどりつく、こっそり見に来たくなる感じが満載の特別展でした。こんな信じられないものがまとめて見られる機会はめったにないのでぜひこっそりお越し下さい。こっそり。
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