So-net無料ブログ作成
検索選択

佐藤和歌子『間取りの手帖remix』(ちくま文庫) [実用書]

日本のどこかに存在する間取り図を集め、ひとことコメントを添えて紹介する本です。たまに間取りから生まれたショートストーリーやコラム、巻末では間取りをめぐる対談四編も楽しめてお得です。
間取り、つまり賃貸雑誌や物件情報に山ほど載っているあれを、ひたすら集めて鑑賞するだけなんですけれどもめちゃくちゃ面白いんですよ。かなり無茶な間取り、楽しそうな間取り、じっさいに住めるかとなるとちょっと考えてしまう間取りなど盛りだくさんです。家賃もいっしょに書いてあるのでついつい引っ越しを考えたくなりますが、ちょっと落ち着きましょう。
子どもの頃、チラシに載っている間取り情報を引っ越しの予定もないのに眺めているのが好きだったことを思い出しました。間取り好きの皆さん(こんな本が文庫化までされるくらいですから一定数存在するはずです)は必見です。ひょっとすると我が家の間取りを見直し、気付かなかったけど案外どうかしてるんじゃないかという発見をするきっかけになるかもしれません。

間取りの手帖remix (ちくま文庫)


nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

穂村弘『はじめての短歌』(河出文庫) [実用書]

社会人教育機関のワークショップでの短歌講座から書籍化されたたいへん新しい感じの短歌入門です。ひとつの項目がだいたい3,4ページくらいでまとまっているのでちょっとした時間にすぐ読めます。
おもしろいのはいい短歌を取り上げたあと、作者がわざわざ一部を書き換えていまいちな歌にする「改悪例」を並べているところです。これにより、オリジナルの歌はどんなところが良かったのかがわかるとともに、いい短歌とはどういうものであるかの鑑賞法のヒントも見えてくるんですね。
短歌については最近になってちょこちょこ読みはじめたくらいで、塚本邦雄の百人一首関連の本にぞくぞくしている程度のしろうとですが、鑑賞方法については平安時代の和歌から現代短歌まで、いくつかの本で同じことが書かれているのに気がついて大いに得心がいったところです。
短歌入門といっていますが、いい歌/すぐれた歌人とはどういうものかを語るなかで、短歌の外側の社会についての話もけっこう出てきます。穂村さん特選のすてきな現代短歌がたくさん見られるうえに、世界を見る目を少しだけ広げられる本でもありますよ。おすすめです。

はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)


nice!(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

清水義範『大人のための文章教室』(講談社新書) [実用書]

清水義範と言えば、面白くてためになる(かもしれない)『国語入試問題必勝法』、抱腹絶倒のパスティーシュ作品が満載の『深夜の弁明』(以上2作品は、今回の内容とは全く関係なく、あんまりにも好きなので紹介しました)の他SFやミステリの著作もあり、最近は子どものための作文指導の本も出ている模様。
で、今回はその中の最後の仕事の大人向け版。手紙の文章やサラリーマンの使う実用文に加え、こうしたブログで発表されることも多い随筆や紀行文のコツを多数提案してくれます。お手本や悪い見本として出てくる例文に、作者の新作や日常の文章がどっさり使われているのが読んでいて大変楽しい仕掛けになっていて、著者の目的通りの面白く読める本になっています。仕事の報告書を「北の国から」とか「プロジェクトX」ナレーション風で書いたら、それはいけませんよ。
その上パスティーシュの「文章読本風」ではなく、ちゃんと実際に使える文章教室になっているのが素晴らしい。電車の中で背広姿で堂々と読んでも大丈夫ですよ。

大人のための文章教室 (講談社現代新書)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

柳沢小実『フリペの楽しみ』(ピエ・ブックス) [実用書]

リトルプレスの楽しみ』に続き、今回はフリーペーパーを取り上げています。街中のお店や駅でみかけるチラシですね。
個人が全くの趣味でひっそりと作っているものや経営しているお店に置いているもの、官製の広報誌まで幅広く収録されていますが、ページ内に凝縮されたデザインを眺めていると、観賞よりも手に取りたくなってしまっていけません。入手先も添えられているので(ウェブで取り寄せ、というのも多いですね)、ついオーダーしたくなってしまうのがどうにも…という場合のために(?)綴じ込み付録として、巻末には著者によるフリーペーパーがくっついています。
見ているだけで楽しい、では済まないで手に取りたくなってしまう、非常に危険な本です。写真に写っているペーパーの小さな小さな文字に、思わず目を凝らしてしまいましたよ…

フリペの楽しみ―とっておきのフリーペーパーのつくりかた


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

『仏尊の事典 壮大なる仏教宇宙の仏たち』(学研) [実用書]

美術鑑賞と同じ視点で仏像も好きです。好きなタイプはガンダーラ顔、鎌倉期の作品群も彫刻として面白いと思います。で、先日奈良国立博物館の神仏習合展(既に終了)を見に行った時、ミュージアムショップで「そうだ、そろそろ仏像のガイド本を買おう」と思い立ち(それまでは我流で鑑賞していたわけですよ!)、入門向けの仏像の見方本でもないかと探索開始。手の形や装飾品から仏像の種類が見分けられるようになりたいので、その辺りが詳しい本を…と思っていたのに、何故かこんなものを購入していました。ちょうど展覧会で見たばかりの「垂迹神」の項目を目次に見つけてしまったことが敗因と思われます。
とりあえず、各種の仏様の分類と名前の読み方がまとめて展望できるのが非常にありがたい1冊です。さっき見てきたあの仏像の由来を知りたい、と思うことは多々ありますので。また、各章の終わりに著名仏像所蔵寺院一覧がついています。本文中の図版に飽きたらず、実物が見たくなったらいつでも行けるのも長所ですね。

仏尊の事典―壮大なる仏教宇宙の仏たち


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

長野伸江『賞賛語・罵倒語(ほめことば・けなしことば)辞典』(小学館) [実用書]

日本の美しい賞賛語・罵倒語を、小説から国会議事録まで、豊富な文例で学べる便利な辞書。
とにかく実例と、添えられた解説の楽しいこと。日本人の価値観の変遷までが伺え、言語学のみならずより広い日本史の観点からの読みも可能と思われます。誉め言葉やけなし言葉にも流行り廃りがあり、ちゃんと時代を映していることがよくわかります。今疲れているあの言葉も、いずれ本書の中に記録されることになるのでしょう。
個人的には、賞賛語部門には漢語や故事成語が多く堅めの印象を、罵倒語部門には地口や流行語が多かったような印象があります。生き生きとした日本語は、やはり罵倒方面にその力を発揮するようです。何となく。

賞賛語(ほめことば)・罵倒語(けなしことば)辞典


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

吉田一郎『国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ!』(交通新聞社) [実用書]

世界の小国、国のようで国でないような微妙な地域、嘘のようで本当にある不思議な国家のコレクション。有名どころでは香港、最近ニュースを騒がせた旧ソ連のあの国から聞いたこともない地名、世界史に出てきたあれまでさまざま。地理の副読本だったデータブック オブ・ザ・ワールドだったので、こういう本はただ地図と面積、人口を見るだけでも楽しくて仕方ありません。
それぞれの国家の成立にまつわる歴史や現在の状況は、全体的に眺めるととてもシリアス。植民地時代の影響や民族紛争の結果生まれた常識はずれの地図を眺めるのは、(そう言うものがあるとすれば)世界の小国史の様相があります。

国マニア―世界の珍国、奇妙な地域へ!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』(講談社) [実用書]

19世紀フランスの悪魔・魔神・迷信の集大成。10分の1程度の縮約版だそうですが、それでも結構な分量があります。
翻訳にあたっては図版のある項目を中心に採り、一般の読者にも楽しめるよう配慮されているものの、猟奇的な興味からはいまひとつ面白くないかもしれません。と言うのも、本書は悪魔を空想上の存在として鑑賞するのでもなければ観念として議論するのでもなく、世にはびこる迷信と戦うため、悪魔その他についての情報を伝えるために書かれたしごく真面目な書物であるからです。
悪魔の名前を1つ取り上げても、由来についての考察も象徴的な意味の解釈もなく、淡々と地獄における役職や特徴を書いて終わり、という項目の数々を眺めていると、これは実用書だとしみじみと思います。

地獄の辞典


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

クラフト・エヴィング商會『アナ・トレントの鞄』(新潮社) [実用書]

往年の女優が映画の中で手にしていた鞄を探す旅の途中で出会い、いつの間にか集められた奇妙な品々のカタログ、すべて一点限り。用途のわかりそうでわからないもの、何のために作られたのかさっぱりわからないもの、意味ありげなもの、意味のなさそうなもの、ひたすら品物と説明書きの並ぶ体裁に小学校の自由研究を連想しました。
まず最初に対象となる「もの」が先にある、それから品物に付随したストーリーが付いてきたり付いてこなかったりするだけで明確な物語はない、どこまでもオブジェが主人公になった世界観がとても心地良い本です。

アナ・トレントの鞄


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

柳沢小実『リトルプレスの楽しみ』(ピエ・ブックス) [実用書]

サブタイトル「おしゃれなミニコミを作ってみたら」。ということで、いわゆるミニコミ誌、同人誌と言われる個人制作誌の紹介本です。どちらかというと写真やイラスト、レイアウトや素材等のデザインを紹介することに主眼が置かれており、取り上げられた各誌同様、本書にも絵本やカタログのようなたたずまいを感じました。
欲を言えば、入手可能な書店やウェブサイト、通販申し込みについての案内もあればよろしかったかと。そうした実用的な部分よりも、作品としてのミニコミ誌にスポットを当てた本でした。

リトルプレスの楽しみ


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ: