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没後40年 幻の画家 不染 鉄(~11/5) [美術鑑賞]

不染鉄(ふせん・てつ)という画家さんです。東京に生まれて日本画を学び、伊豆大島で漁師になったり帝展に入選したり絵の学校を首席で卒業したり、不思議な経歴のある不思議な日本画を描く人で、現在奈良県立美術館で回顧展をやっているんです。
わたくしはお名前もまったく聞いたこともない人だったのですが、たまたま目にした富士山がこれまで見たこともないような姿をしていたので気になって気になってつい行ってきてしまいました。
材質や題材はこれ以上ないくらい日本画ですし、水墨画や南画っぽい作品もたくさんあって、確かに日本画の伝統にのっとった画家さんだと思うんですけれども、薬師寺の東塔や富士山や自転車をああいう風に描いている人はちょっと記憶にありません。ガラスケースに横たわる堂々たる絵巻物かと思いきや、細かな字で書き込みがしてある手紙だったときにはちょっと度肝を抜かれました。1976年になくなった方ですから十分に現代画家と呼べるはずですが、あまりにカジュアルでマイペースで身近な雰囲気の人です。
それなのに風景画はまるでこの世のものではないようで、特にわたくしは薬師寺を題材にした一連の作品の前でしばらくぼうっとしていました。色んな人に知っていただきたい、そして作品にびっくりしたい名前が読めなくて戸惑ったりしていただきたい画家さんでした。
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