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『失敗の本質』(中公文庫) [学術書]

六人共著なので著者名は省かせていただきます。範囲の広すぎるタイトルですけれども副題が「日本軍の組織論的研究」で、第二次世界大戦で日本軍が失敗した局面を六つの場面から科学的に分析するとても意欲的な本です。テーマがしっかり設定されていて驚くほど読みやすかったので、このジャンルに詳しくない人にもおすすめできます。ほんとうに面白かったんですよ。組織論の立場からの分析という目的とアプローチの方向が最初にちゃんと書いてあるので、後知恵は卑怯とか、数百人の死が些細な損害と呼ばれる世界とか、戻ってきたら降りる場所がなくなってるかもしれないのに飛び立つ米軍の兵士の皆さんとかそういう情緒的なことは一切廃して読めるのが特によろしいです。そういう本じゃないんですよ。
現代においてビジネスやスポーツの世界で戦っている人にはぜったいに収穫のある本だと思います。もちろん自分が失敗する側であると肝に銘じた上で読んだ場合のお話ですけれども、すでに結果の出ているでかい失敗から学ぶのは間違いなく役に立ちますよね。
それからもう一度言いますけれども、読み物として面白かったです。表紙が難しそうとかこの時代に詳しくないとか、現都知事が推薦してるとかそういうこととは関係なくわたくしもおすすめします。日本的風土、あるいは人間的風土が犯しがちな失敗だけでなく二十世紀戦史の入り口にもなります。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)


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