So-net無料ブログ作成

G・K・チェスタトン『詩人と狂人たち』(創元推理文庫) [ミステリ]

画家にして詩人である青年ガブリエル・ゲイルが奇妙な出来事を奇妙な論理で解き明かす連作集です。日常の謎と呼ぶにはあまりにもなんだかいかれていて、かといって法に触れる犯罪行為ばかりでもない、不思議な話が八つ入っています。
殺人事件や失踪事件など、ふつうの犯罪もあるにはあるんですけれども、真相はいつも突拍子もないところに着地します。それを解き明かしてしまうガブリエル・ゲイルの探偵術(とも言えないような手法)が何よりの見どころです。犯罪に至る前の、そもそも犯罪でもなさそうな事件でも彼は異様な振る舞いを見せ、後に理由が明かされすっきりと解決するお話もあります。個人的にはこちらのお話に属する感じの「ガブリエル・ゲイルの犯罪」が一番ぞっとさせられました。
ずいぶん前に読んだもののいまひとつよくわからず、今回数年ぶりに新訳で再読してようやくわかるようになった感がありますので、初めて読まれる方は意味がわからなくてもしばらく間を置いて読み返していただければと思います。ミステリっぽくない、幻想小説のような現実描写も味わい深い名品です。

詩人と狂人たち (ガブリエル・ゲイルの生涯の逸話)【新訳版】 (創元推理文庫)


nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

トラックバック 0

メッセージを送る