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呉座勇一『応仁の乱』(中公新書) [学術書]

どういう事情なのかちかごろ応仁の乱の新書が人気というのでこの機会に勉強しようとわたくしも手に取りました。そんな調子なので乱の知識は義務教育くらいのものです。
本書は最近の研究成果を踏まえ、応仁の乱と同時代に生きた興福寺僧の日記を史料として活用しているのがポイントです。主に京都市街を中心とした戦乱ですが、興福寺のある大和国の動乱を皮切りに、応仁の乱前夜からの畿内の情勢を追ってゆく手順がわかりやすかったです。わかりやすいものですから、読み進めるほどに「なんで延々とこんなことを」という気持ちがひたすら高まります。
どのくらい延々と続いた気分を満喫できるかというと、だいたい五分の三くらいで大乱終結と題した章に入るも全然落ち着く気配が見えないなどです。将軍家と管領と大和国の事情それぞれに関係者の思惑がかみ合わず長引く戦乱で、いやでも影響を受けることになる興福寺の人々のいらだちも伝わってきて、記録を残さなかった市井の人々もそらいやになったろうなぁと思いますね。
室町幕府を衰退させ、戦国時代への扉を開いたとされる応仁の乱ですが、市街戦での戦法の変化や文化面での影響について触れられていたのがわたくしには新鮮でした。今でもたまに足を運ぶ興福寺への見方が少し変わりそうな本です。

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)


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