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シャーリィ・ジャクスン『鳥の巣』(国書刊行会) [海外小説]

博物館で働く平凡な女性エリザベスは原因不明の頭痛や、何ものかが自分に宛てて書いた手紙に悩まされていた。医師の診断を受けて明らかになったのは、彼女の中にひそむ別の人格の存在で……
1954年に発表された多重人格ものサスペンスです。ちょうどこのころに多重人格もののブームがあり、その中でも先駆けとなったのが本書だそうです。すでに何度か多重人格ブームを経た現在でも十分に新鮮で、かつ強烈にいやな感じです。
登場する人格は最初から登場する主人公を含めて全部で四人。決して多くはありませんし、その他の登場人物も主人公と同居する叔母さんと医師が二人くらいです。しかもほとんどのシーンでは一対一のやりとりで、どこをとっても落ち着かない緊迫感にあふれています。
重苦しくはあるものの、主人公の人格が次々に入れ替わり、振り回される医師が対応に悪戦苦闘するシーンなどは笑いを誘われます。なかなか意地悪で笑える作家でもあるんですよね。一方で一番怖かったのは、健康的な人であるはずの叔母さんとの対話です。
最終章において、主人公の複数の人格は無事ひとつに統合されているのですが、その後どうなったかは読者の想像にゆだねられている感じです。全然すっきりはしてませんね。

鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)


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