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海野十三『深夜の市長』(創元推理文庫) [ミステリ]

昼間とはまったく別の顔を見せる夜の東京で、深夜の散歩を趣味とする僕は奇怪な殺人事件に遭遇したことをきっかけに「深夜の市長」と呼ばれる怪老人と出会う。警視総監やT市長をも巻き込む陰謀にも関わりを持っているらしい深夜の市長の正体とは?
こんな設定で、一昔前の東京の夜に怪人や権力者たちが入り乱れる表題作のほか、SFっぽいものから本格風ミステリまで短篇作品をあわせて収録した作品集です。もうちょっとシンプルな、推理どころじゃなくひたすら怖いだけの話などもあります。
わたくしはもう「深夜の市長」というタイトルと、そういう名前のキャラクターが登場して大活躍するだけでわくわくしてどうしようもないのですが、昼の光の下とはまるで違う顔を見せる夜の大都市のイメージがまず強烈じゃありませんか。シリアスそうな雰囲気に反して、主人公の行動があまりにも行き当たりばったりで突っ込みどころにあふれていところですとか、大事な用事をすぐ先延ばしにして登場人物に突っ込まれるですとか、あまりにもざっくりした市政ですとか、なかなかドタバタしてコミカルなシーンも多数あります。
そんなに科学にも犯罪捜査にも詳しくないミステリ好きのわたくしが「??」となるところもあるんですけれども、それはそれとしてびっくりするようなアイデアがぞろぞろ出てくるのが楽しい本です。気がついたらこの文庫から海野十三傑作集がもう4冊目で、読めば納得の弾けっぷりでした。

深夜の市長 (創元推理文庫)

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