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イーヴリン・ウォー『スクープ』(白水社) [海外小説]

毒にも薬にもならない田園記事を新聞に連載していた青年ウィリアム・ブートは、人違いで海外特派員に任命され、政情不安まっただ中にあるアフリカの某国へ送り込まれることに。怪しげな人々がうごめく世界で本職の記者たちに揉まれて右往左往されるうち、彼は思いがけず本物のスクープをものにするのだが……
1938年に書かれたジャーナリズムをめぐる小説です。とにかくひどい話なのでぜひ「ひっでぇなぁ」と声に出して突っ込みを入れながらお読みいただきたいです。もうずいぶん前に出た本ですけれども、ひょっとすると現在でも報道の世界はこんな調子なんじゃないかと思わせるいやな説得力があります。
政変前夜のアフリカの架空の国を舞台にしていますが血湧き肉躍る大冒険はどこにもなく、ろくに娯楽もない土地でだらだら過ごす記者たちや埒が明かない政府の対応、肝心のときに届かない本国からの電報などお笑い要素が山盛りです。ばかばかしくも楽しいお話ではあるのですが、ちょっとジャーナリズムの現場にいる人には見せられない……いや、むしろそういう方にこそ読んでいた大体かもしれない本です。

スクープ (エクス・リブリス・クラシックス)


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