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ワイルド『幸福な王子/柘榴の家』(光文社古典新訳文庫) [海外小説]

オスカー・ワイルドの童話集二冊の新訳版です。特に表題作「幸福な王子」は有名ですし、「小夜啼き鳥と薔薇」「身勝手な大男」もちょこちょこアンソロジーや絵本で見かけますよね。どれも見たところはいかにも子どものためのおとぎ話で見られそうな少し昔のどこかの国や愛らしい登場人物に彩られていて、でもストーリーはというとハッピーエンドとは限らないし全てがきれいに丸く収まるわけでもありません。
他人のために一生懸命がんばった人が別段報われずそのまま終わったりもしますし、宗教的な救済がおとずれることもありますし、読む前からうすうす予想してはいたんですけれども子どものためになる教訓的なお話という感じはそんなにしません。それでいて、あたまに「本当は怖ろしい」とか「大人のための」とつけられるような毒と皮肉に力を注いでいるようでもないです。つらい話もひどい話もひっくるめて、ひとつひとつが短いながらも美しい悲劇のような味わいです。もし子どものころに読んでいたら、結末にいちいち納得がいかなかったんじゃないかと思いますね。

幸福な王子/柘榴の家 (古典新訳文庫)


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