So-net無料ブログ作成
検索選択

エレナー・アップデール『怪盗紳士モンモランシー』(創元推理文庫) [海外小説]

逃亡中に屋根から落下し瀕死の重傷を負うも、最先端の治療に取り組む若き天才外科医の被験者となり、みごと一命を取り留めた囚人493またの名をモンモランシー。刑期をつとめあげた彼は、医師や囚人たちのネットワークを通じて情報を集めた情報を活用し、理想の生活を実現すべく奮闘する。
どんな生活かと言いますと、誕生して間もないロンドンの下水道を自由に行き来しての盗賊業をなりわいとするごろつきと、高級ホテルに長期逗留し優雅にオペラや競馬を楽しむ紳士の顔を使い分けての二重生活です。
手術の影響で体中傷だらけながら頑丈な主人公が、身体能力だけでなく旺盛な学習能力を発揮して新しい生活を築き上げてゆく姿は見ていて痛快です。ただ怪盗と呼ぶにはちょっと仕事が地道で確実性重視で盗みのうえでの爽快感はあまりない、擁護のしようがない悪人なんですけれども。時代は1875年、ヴィクトリア朝ど真ん中のロンドンの階級社会も読みどころです。
裏表紙のあらすじでかなり先のほうまで喋っているのですが、終盤に転がり込んでくる思いがけない展開もあり、次巻以降が楽しみな作品です。

怪盗紳士モンモランシー (創元推理文庫)


nice!(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

トラックバック 0