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アンドレ・ド・ロルド『ロルドの恐怖劇場』(ちくま文庫) [海外小説]

二十世紀初頭のパリで人気を博したグラン・ギニョル座の劇作家による短くてストレートな恐怖小説集です。全22作入り、すべてきっちりバッドエンドです。
当時のパリの生活や人々が恐れていたものがたびたび登場するので、たとえば外科手術に対する偏見はちょっとひどいのではないかとか、そういう部分も含めて興味深い短篇集です。超自然的な存在ではなく、あくまで犯罪や人間の異常心理から生まれる恐怖を取り扱っているのも特徴です。
どのページをめくっても低俗で強烈な三面記事の世界ですが、思いがけずサイコホラーの源流のような味わいやミステリと呼べそうな展開を見せる作品もあり、なかなか変化に富んでいます。もともとはお芝居の方面にいらした人なためか、短い作品でも登場人物がいきいきと動き回り、目の前にいるかのように残酷な目に遭うシーンがたくさんつまっています。一気読みすると胸焼け間違いなしの、ですけれども時々無性に食べたくなるお菓子のような本です。

ロルドの恐怖劇場 (ちくま文庫)


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