So-net無料ブログ作成

ロベルト・ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』(白水社) [海外小説]

南北アメリカ諸国やキューバなど、アメリカ諸国におけるナチ文学の作家たち30人を純文学、娯楽小説、詩、SFなどさまざまなジャンルから幅広く取り上げたの評伝です。まるで短篇小説のような数奇な運命をたどった人物もいれば、わずか1ページで記述が終わってしまう人物もいます。アメリカ大陸の歴史をひとつの方向から照らし出す小説のようでもあり、ナチ文学という特異な分野に明るくない人にも読み物として楽しめます。そういう文学は、現時点でそもそも存在しないのですが。
架空歴史小説、あるいは架空の本の書評集というジャンルがありますが(あるんですよ。本当です)、本書はその中でも特に現実の歴史とのリンクが強くにじみ出た作品です。『ナチ文学』という刺激的な表題に対して、ナチズムの具体的でショッキングな描写が特に目立つわけではないのですが、登場する作家たちの言動にどことなくおぞましさを感じることはたびたびあります。
その一方で彼らの芸術活動には圧倒されるものがあり、いえまぁ読みたいかと言われたら必ずしも好みではなさそうなのですが、確かに価値はあったのだろうと思いました。巻末の「書籍」一覧に呆然としましょう。

アメリカ大陸のナチ文学 (ボラーニョ・コレクション)


nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

トラックバック 0

メッセージを送る