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宮崎賢太郎『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』(吉川弘文館) [学術書]

十六世紀の日本へのキリスト教伝来の後、禁教令から明治時代までひそかに信仰を守ってきたいわゆる隠れキリシタンの問題に踏み込んだ大変刺激的な本です。まずタイトルが「カクレキリシタン」とカタカナで一続きの表記になっていることにご注目ください。
江戸時代初期から現在まで、長崎県を中心に信仰を守ってきた人々は確かに存在するのですが、彼らの信仰しているものをよくよく調べてみるとそれはもうキリスト教でもカトリックでもない日本の民俗宗教であった、という結論がとにかく衝撃的です。宣教師がいなくなって正しい教義もだんだんと薄れて、二百年も経って残っているのは「代々伝わってきた神様」だったんですよ。そう考えると、現在も仏教や神道の行事と共存しているのも不思議ではありませんよね。
現地で取材された当事者の方々の声も貴重な情報です。儀式に用いられる道具や祈りの言葉や歌にわずかに見られるカトリック信仰の名残には呆然となりました。著者自身も長崎出身のカトリックであり、キリスト教の知識がある方が読まれるとさらに大きな衝撃を受けると思います。
学校で習ったりドラマや漫画で見て、なんとなくイメージしていた隠れキリシタン像がぶちこわされるものすごい本でした。

カクレキリシタンの実像: 日本人のキリスト教理解と受容


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