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山本博文『殉教』(光文社新書) [学術書]

副題は「日本人は何を信仰したか」。日本におけるキリスト教伝来から鎖国と弾圧に至るまでを史料から読み取り、そこで起きた「殉教」から見えてくるものを探っています。日本での布教を段階を追って説明してくれるので、歴史の授業でちょっとやっただけの知識しかなくても大丈夫ですよ。ザビエルが来てから島原の乱まで何十年も経っていれば日本と世界の事情も変わりますし、その辺りまで掘り下げてあったのは大変ありがたかったです。フランシスコ会やドミニコ会も布教に来ていたことを知らなかった(もしくは習ったのに忘れていた)レベルだったもので。
また、遠藤周作『沈黙』と史実における殉教者の比較が一番はじめの章におかれているのも入りやすさを手伝っています。『沈黙』のあらすじにも触れていますが、もとの作品を読んでいるとなおのことわかりやすいですね。わたくしはこの機会にと一足先に読んでから本書に取りかかりました。
史料から読み取れる殉教の精神と、日本の武士の精神性が一致した可能性の指摘は興味深いですね。一方で民衆のあいだの信仰については、ヨーロッパ諸国の民間信仰との共通点がみられるというのもなるほどと納得しました。

もともと山田風太郎の切支丹もので何度も取り上げられていた問題が気になって手に取った本で、まさにその部分を解決してくれる興味深い本でした。ば島原の乱の農民たちが殉教者として数えられないわけも得心がいきました。

殉教 日本人は何を信仰したか (光文社新書)

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