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佐藤哲也『下りの船』(早川書房) [国内小説]

荒廃した大地で細々と暮らす人々は、ある日慣れ親しんだ土地から追い立てた玲、巨大な船で別の惑星へ送り込まれる。新天地で営まれるのは変わることのない人の暮らし、そしてまた新たな船が岸を離れて…
そうやって別の星へ移住した少年を画面の中心で追いかけながら、彼と関係のある人物やない人物の情景をワンシーンずつ切り取りながら進む長篇小説です。別の星へ行く未来(?)の話なのでSFといえばSFですが、未来的なものはほとんど登場しません。
どこをとってみても、実体験なり映画や小説なりで見たおぼえのあるエピソードなんですよ。それでいて全然ありきたりじゃなく、読んでいて続きが気になってしょうがない作品になっている、これはすごいことじゃありませんか。結末まで見えているような気がするのに最後まで読まずにいられませんでした。見たこともない世界のはずなのに懐かしくて、ああこれは今までに世界のどこかで起きたことのあるできごとだろうなと感じて、ちょっと怖くなった場面は数が知れません。
とにかく色んなものが入っています。古い映画もあればミステリもあり、戦記ものもあればプロレタリア文学もありますしもちろんSFもあります。
ページは存在しませんけれども、この本が終わった後には際限なく歴史が続いてるはずですよ。

下りの船 (想像力の文学)


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