円地文子『妖・花食い姥』(講談社文芸文庫) [国内小説]
怖い短篇集でした。何がそんなに怖いのかと訊ねられると、登場する女性たちの心の動きが、としか言いようがありません。
『ねじの回転』を連想する、不気味な違和感に満ちた空気が漂っていますが、あちらに出てくる幽霊のような誰にでもわかる恐怖が出てくるわけではない。外側から見たら何でもないような、登場人物のちょっとした心の動きや回想、迷いを内側から追いかけてずっと読んでいくとこんなに不気味な世界が存在する、ということに背筋が寒くなりました。
一人称か、女主人公の視点で書かれた作品が多いのですが、彼女たちや他の人物の内面が一切外部との交流を持たずに煮詰められていく過程に想像を巡らせる時、踏み込んではいけない領域が見えるように思います。







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